待ち合わせはエイハブの前で。

クライミングの記録。

2019年1月に取り組んだこと、インドア1級を登るためにやったこと。

実はインドア1級は12月に登れてしまった。

というのも、通っているジムのマンスリー課題は、公開から1週間ほどはグレード公開されていない。
その内の1つをトライしていたら3日で登れて
「難しい3級か2級あるかないかくらいかな」
などと思っていたら、グレード公開で1級がついていた。

だから1級を登るために打ち込んでもいなかったし、目標とした課題でもなかった。
ただただ登れてしまっていた。


だから2つ目の1級には少しこだわりがあった。


1級を、登りたい。


初めて登れた1級はルーフだった。
遠い2手目が核心で、3手目からは大きいボリュームを抑え込んで細かいホールドにつないでいく課題。
2手目で、ルーフでも腰位置が大事、腰を壁に入れる感覚、フットホールドの上に壁沿いに立つ感覚を学んだ。

初めて登れた1級がルーフだと、ルーフが得意と勘違いしそうだが、むしろルーフは苦手意識が高かった。
ルーフはスラブ同様に課題から”逃げて”いたし、11月まで最高グレードは3級だった。
しかも2、3本しか登ったことがなかった。
基本4級が登れるレベルだった。

それが11月にめちゃくちゃかっこいい課題がルーフにあった。
ダブルダイノから始まって、大きいボリュームを足で挟みこんで、スローパーピンチピンチとつなぐ課題。

登りたい。かっこいいから。

純粋にそう思った。

付けられたグレードは2級。
試しにスタートをトライしてみる。
思わず苦笑いが出る。
あぁ、無理そうかも。。。でも登りたいな。
トライを続ける。
試しにバラしでダイノ以降をやってみるも2つ目のピンチが止まらない。
それでもトライし続けた。

後半のコツが”なんとなく”つかめ出した頃、ダブルの練習も始めてみた。
元々ランジとかは苦手な方。
更にそれが今回はルーフ。
苦手アンド苦手。

最初は全く止まる様子はなかった。
が、ダイノの練習を始めて2日目。
飛びまくったおかげでコツが少しわかった。
フットホールドの上にガニ股気味に立って、腰を壁にできるだけ入れてから出る。
それまで手の方ばかり意識していたが、腰位置を意識するようにしたらぐっと軌道が良くなった。
そして10回に1度は止まるようになって、それが5回に1度、3回に1度。
5回やれば3度は止まるようになった。

次の日から繋げてトライを開始した。
後半パートはまだ1度しか出来ていなかったけれど。


結果的にこの課題はマンスリーが終わる3日前登る事ができてすごく、すごく嬉しかった。
初のルーフ2級。

このルーフに打ち込んだ、その次のマンスリーで初の1級を登る事が出来た。
ポイントは2級で学んだ腰位置。
核心の遠い一手。
ホールドの上でルーフ壁に沿って立ち上がる、腰を壁に付けるくらい近づける事で遠い一手が届く。
それが自然とできた。

苦手の限界課題に打ち込んだこと。

それが自分にとって1級を登れた事につながったと思う。


それをまぐれにしないためにも、次の月でも1級を登りたかった。
更新されたマンスリー。
なかなかハードなルーフ課題で最初の週は核心のピンチピンチの2つ目が止まらなかった。
3級よりは難しそうだ。でも初日で結構進んだから2級くらいかな、と感じていた。

公開されたグレードは1級。今月はこれを登りたい。


それでもルーフに固視せず、この月はとにかくサーキットをよくやった。
週4ペースで登って
10~5級までを2本。
4級を3、4本。
3級を4、5本。
2級を1,2本。
アップの流れからこれらを必ずやるようにした。
打ち込みたい課題があっても、まずはアップからのサーキットを必ず入れた。

サーキットのメリットはトレーニング要素もあるんだろうけれど、

自分にとっては自身のその日の調子がよくわかって良かった。
得意系な3級が少し苦しかったり、いつも苦労する2級が簡単にできてしまったり。
それによってその日打ち込む課題、壁を色々意識して変える事ができた。

そしてマンスリー最後の週。
ルーフの1級を登る事ができた。
ポイントはまたしても手ではなくて、足位置、それによる腰位置だった。
かかとの向きを30度くらい左に向けるだけで腰位置が安定してピンチが持てるようになった。
ライミングは下半身だ。

2本目の1級。
自分にとって凄く価値のある課題になった。

ボルダリング 1級を登るということ。

2017年の11月くらいから3級がやっと登れるようになってきた。

ジムに通いだしたのがGWからなので丁度半年経った頃だった。

 

2018年の年初めに「今年は半年で2級、年末には1級を登りたい」と目標をたてた。

 

しかし、夏になっても2級は登れなかった。

 

7月。打ち込んだマンスリーの2級。

最終日に止まらなかった1手が閉店5分前に止まった。

あとはゴール取り。ばらしでムーブとホールドの保持感は確認してあった。

難しくない、5級くらいのムーブだった。

が、足を滑らせて手を出せずに落ちてしまった。

 

ずっと打ち込んでカチを保持していた指から流血した。

 

トライ終了の合図。時間的にも、指的にも。

また、また2級が登れなかった。

 

 

次の月、月パスを違うジムで購入して通った。

気分転換と、ちょっとモチベーションが落ちていたからだ。

そのジムでは主に3級を何本か打ち込んで、ひと月が終わった。

 

翌月にいつものジムに戻ったら2級が登れた。登れてしまった。

 

秋になる頃だ。

 

そこからはジムで2級をメインにトライしつつ、小川山に通った。

ジムトレ、岩、レスト、ジム、ジム、レスト、レストのサイクル。

 

ジムでは2級がいくつか登れるようになり、少し自信がついた。

自信とつけるという事は凄く重要だと思う。

ムーブを思い切って起こせるし、トライする姿勢がかわる。

 

12月が来た。冬に入る。

小川山での成果が出なくて少し焦りの出始めた頃。

通い始めて8日程経っている。

 

はじめて1級が登れた。

 

 

崩壊エリアにあるモンスリー。地味な1級だと思う。

それでも岩の上から見た澄んだ青空は一生忘れないだろうし、

充実感と安心感が入り混じった不思議な感情も生涯の宝物になった。

 

3日後、瑞牆でカラクリが登れた。

(カラクリが初段あるかどうかはまた別の話で)

 

ただ、小川山で打ち込んでいた1級はまだ2つ残っていた。

内1つはムーブは起こせる。あとは繋げられるかどうか。

雪が降りだしてきた、12月後半。

 

今日が最後だな、と感じたシーズンラストトライ。

誰もいない雪で覆われた小川山の駐車場。

岩から雪おろしして2,3時間程トライを続ける。やっぱり登れないのか。

少し散歩をして課題から距離を取ってレストを入れた。

川沿い。自分の片足ほどある太くて長い氷柱。新雪に足跡。

川の水の冷たさが気持ちよく、少し冷静になれた。

 

絶対今シーズン登る。強い気持ちをもって次のトライ。

リップからマントルに入る。その日一番の高度。

岩の上部は雪が解けて濡れている。抜けないように慎重に体を起こす。

 

キングチョックレフト

 

小さな岩。

その小さな岩の上に立ち、見渡した景色はとても白く。

ライミングシューズで雪を踏み歩くのが気持ちよかった。

 

 

 

1つ目の1級を登った時。

今年の目標がシーズンが終わる前に登れた、という安心感があった。

そして2つ目の1級を登った時。

1級が登れるようになってきている、という自分に達成感を感じた。

 

小川山ではもう1つ、打ち込んだ、一番打ち込んだ1級課題が残っている。

スプリンター。

 

次のシーズンに入ったらまたすぐに登りはじめよう。

それまでにトレーニングをしっかりやろう。ご飯を食べよう。

 

春が楽しみだ。